NPO のホームページに載せる情報は、(1) 団体の基本情報、(2) 活動の目的と実績、(3) お金の情報、(4) 参加の入口、(5) 法令上の表示の5つに分けて考えると漏れがありません。このうち (5) は、定款の定め方や個人情報の扱いによっては法律で求められるもので、デザインより先に整える必要があります。

内閣府の「2023年度(令和5年度)特定非営利活動法人に関する実態調査」では、「ホームページやブログを開設し、活動内容について情報発信している」と答えた法人は、認証法人で58.5%、認定・特例認定法人で92.7%でした。SNS で活動内容を発信している法人は、それぞれ33.7%、63.3%です。寄付を広く集めている認定法人ほど、ホームページで情報を出していることが分かります。

この記事では、特定非営利活動促進法(以下「NPO 法」)、個人情報保護法、障害者差別解消法の条文と公的資料にもとづいて、載せるべき情報をチェックリストにまとめます。

5つの区分と、それぞれに載せるもの

区分載せるもの見る人
(1) 基本情報正式名称、所在地、代表者、設立年月日、連絡先、所轄庁すべての人
(2) 活動の目的と実績定款の目的、行っている事業、対象者、実施回数や参加者数などの実績寄付者・利用者・行政・助成団体
(3) お金の情報事業報告書・活動計算書・貸借対照表、寄付の使い道寄付者・会員・助成団体
(4) 参加の入口寄付の方法、会員の種類と会費、ボランティア募集、問い合わせ支援したい人・参加したい人
(5) 法令上の表示貸借対照表の公告(電子公告を選んだ場合)、個人情報の取扱い所轄庁・本人

(1) 基本情報:名称と所在地を登記どおりに

正式名称は、定款と登記に合わせます。「特定非営利活動法人」という文字は、NPO 法人以外は名称に使えません(NPO 法第4条)。また、「認定特定非営利活動法人」と誤認されるおそれのある文字は、認定を受けた法人以外は使ってはいけません(第50条第1項。違反は第78条で罰金の対象)。認定・特例認定を受けている場合は、その旨と有効期間を載せると、寄付者が税の扱いを確かめやすくなります。認定の要件は認定NPO法人の要件と申請で整理しています。

所轄庁(都道府県、または事務所が1つの指定都市の区域内だけにある法人は指定都市)も書いておくと、事業報告書等を閲覧したい人が所轄庁にたどり着けます。

(2) 活動の目的と実績:定款の言葉と数字で

活動の紹介は、定款の「目的」と「事業の種類」に合わせて書くと、外部の人が事業報告書と照らし合わせやすくなります。実績は、形容詞ではなく回数・人数・期間で書きます。

  • 事業ごとに「何を・誰に・どれだけ」行ったか(例:開催回数、参加者数、相談件数)
  • 年度ごとの推移(前年度からの変化)
  • 活動の写真を使う場合は、写っている人の同意を得たもの

(3) お金の情報:事業報告書と公告

NPO 法人は毎事業年度、事業報告書等を所轄庁に提出し、所轄庁は閲覧・謄写の請求に応じます(NPO 法第29条・第30条)。同じ書類をホームページにも掲載しておけば、寄付者や助成団体が所轄庁に請求しなくても確かめられます。書類の中身と作り方はNPO法人の事業報告書で解説しています。

電子公告を選んだ法人は「掲載し続ける」義務がある

NPO 法人は、前事業年度の貸借対照表を作成後遅滞なく、定款で定めた方法で公告しなければなりません(第28条の2第1項)。方法は、官報、日刊新聞紙、電子公告、その他内閣府令で定める方法のいずれかです。

定款で電子公告を選んでいる場合、貸借対照表の作成の日から起算して5年が経過した日を含む事業年度の末日まで、継続して公告し続ける必要があります(第28条の2第4項)。自団体のホームページで公告するなら、リニューアルや移転で公告のページを消さないように管理してください。内閣府NPOホームページは、内閣府NPO法人ポータルサイトでの公告には経費がかからないと案内しています。

まず定款の「公告の方法」の条文を開き、何と書いてあるかを確かめるところから始めます。

(4) 参加の入口:寄付・会員・ボランティア・問い合わせ

実態調査では、法人の主たる収入源として認証法人で最も多かったのは「会員からの会費収入」、認定・特例認定法人では「個人や民間(企業)からの寄附金」でした。どちらの入口も、ホームページから迷わずたどり着けるようにします。

入口載せること
寄付振込先・オンライン決済などの方法、寄付の使い道、領収書の発行の有無。認定・特例認定を受けている場合は税制上の優遇の説明と、領収書に記載する事項
会員会員の種類(正会員・賛助会員など)、会費の額、どの会員が総会で表決権を持つ社員に当たるか、入会・退会の方法
ボランティア活動の内容、日時・場所、条件(年齢など)、交通費などの扱い、保険の加入の有無、申込み方法
問い合わせ窓口、返信までのおおよその期間、個人情報の取扱いへのリンク

寄付のページでは、認定・特例認定を受けていない法人が「寄付は控除の対象になります」と書かないよう注意してください。所得税の寄附金控除などの特例の対象になるのは、認定・特例認定を受けた NPO 法人への寄付など、法令で定められたものです。

(5) 法令上の表示:個人情報の取扱い

寄付者や会員、ボランティアの名簿を持つ NPO 法人は、個人情報保護法の対象です。個人情報保護委員会の Q&A(Q1-54)は、個人情報保護法の「事業」は営利・非営利の別を問わず、NPO 法人も個人情報データベース等を事業に使っていれば個人情報取扱事業者に当たると説明しています。

ホームページで対応しておくことは次の2つです。

  1. 利用目的の公表:個人情報を取得したら、あらかじめ公表している場合を除いて、速やかに利用目的を本人に通知するか公表します(個人情報保護法第21条第1項)。申込みフォームなど本人から直接書面(電磁的記録を含む)で取得する場合は、あらかじめ利用目的を明示します(同条第2項)。
  2. 保有個人データに関する事項:法人の名称・住所・代表者の氏名、すべての保有個人データの利用目的、開示などの請求に応じる手続などを、本人の知り得る状態(求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む)に置きます(第32条第1項)。

この2つを1ページにまとめた「個人情報の取扱いについて」を置き、寄付・入会・ボランティア・問い合わせの各フォームからリンクするのが実務的です。

見る人に配慮する:アクセシビリティ

障害者差別解消法の改正で、令和6年4月1日から事業者による合理的配慮の提供が義務になりました。内閣府のリーフレットは、この法律の「事業者」には目的の営利・非営利を問わず、ボランティア活動をするグループなども入ると説明しています。

ホームページを見やすくすることは、不特定多数の障害のある人を対象に事前に行う改善措置である「環境の整備」に当たり、努力義務とされています。義務ではありませんが、次の点は費用をかけずにできます。

  • 画像に代替テキストを付ける(文字を画像だけで載せない)
  • 文字と背景のコントラストを確保する
  • 問い合わせの手段を電話だけ・フォームだけにしない

公開前のチェックリスト

  • 正式名称・所在地・代表者が定款と登記に一致している
  • 所轄庁の名称を載せた
  • 認定・特例認定を受けていない法人が「認定」と誤認される表示をしていない
  • 定款の公告の方法を確かめ、電子公告なら貸借対照表を掲載期間中ずっと載せている
  • 最新の事業報告書・計算書類を掲載した(または所轄庁での閲覧方法を案内した)
  • 活動の実績を回数・人数で書いた
  • 寄付・会員・ボランティア・問い合わせの入口がトップページからたどれる
  • 認定を受けていないのに、寄付が控除の対象になると書いていない
  • 個人情報の利用目的と、保有個人データに関する事項を公表した
  • フォームから個人情報の取扱いのページにリンクしている
  • 写真に写っている人の同意を得ている
  • 画像の代替テキストと、電話以外の問い合わせ手段がある

更新を止めないための決めごと

ホームページは作った時点がいちばん正確で、放っておくと古くなります。次の3つを年間の予定に入れておくと、最低限の鮮度を保てます。

時期更新すること
事業報告書等の作成後(事業年度初めの3か月以内)事業報告書・計算書類の掲載、貸借対照表の公告、実績の数字
役員の変更があったとき代表者名・役員の一覧
定款を変更したとき目的・事業の種類・所在地・公告の方法

まとめ

  • 載せる情報は、基本情報・活動の実績・お金の情報・参加の入口・法令上の表示の5つ
  • 定款で電子公告を選んでいれば、貸借対照表を定められた期間掲載し続ける(NPO 法第28条の2第4項)
  • NPO 法人も個人情報取扱事業者。利用目的の公表と保有個人データに関する事項の公表が必要
  • 認定を受けていない法人は、認定と誤認される表示や、寄付が控除の対象になるという表示をしない
  • 事業報告書の作成・役員変更・定款変更のたびに更新する

参考資料